苫小牧などの釣り場情報を木曜日の「釣り倶楽部」面に掲載している。遊漁船の情報を毎週、頂いているのが「かつえい丸」の田代健二船長。春と秋に釣れるソウハチガレイへのほれ込みがすごい。
生のソウハチは強いぬめりと臭みが特徴だが、焼くと香ばしい匂いとうま味が出る。春に抱卵の良型ソウハチを頂いた。丁寧に下ごしらえしてある。船長いわく「軽く追い干ししてね。薄塩でちょうどいいはず。足りないなら軽く塩を振って」。掛けじょうゆではなく振り塩だ。
指南された通りに食べた。軽く焦げ目を付けた皮に箸を入れると、えんがわ辺りから脂が染み出る。ふっくらとした身は程よい塩加減で甘みが立つ。気になる塩を少しだけ振った。これがまたうま味を増幅させる。追っ掛け冷たいビールを喉に流せば極上のあて。誇大はない。カレイの焼き物では最上だ。
ソウハチは焼くしかないと思っていた。マガレイと比べるとソウハチの好感度は低かった。市場の卸価格も安い。だが船長は言う。「煮つけも刺し身もマガレイ、なんならヒラメ以上さ」。世間の過小評価を嘆く。
船長のソウハチ愛に刺激された。煮物、刺し身をやってみると確かにソウハチに1票。良型は脂が乗り癖のない甘みがある。かつては海岸からルアーで狙うヒラメ釣りに夢中になり何度も噴火湾に通ったが、今は熱が冷めた。釣魚料理には魚をおいしくする作り方がある。いずれ釣り倶楽部で紹介したい。(司)









