熱が出た。せきも収まらない。これは、まずい。コロナかもしれない。周囲にうつしては大変と、会社を早退し、自宅のある町の医院で検査を受けた。結果は陰性。もらった薬で体調は少し良くなったが、念のため別の医療機関で再び検査。こちらも同じ判定となり、たぶん夏風邪なのだろうと、ようやく胸をなで下ろした。
2020年に流行が始まって以降、道内のコロナ感染者数は62万人に上った。既に道民らの約8人に1人がかかった計算だ。ワクチンで防御しても、姿を変えながら人の体に入り込もうとする新型ウイルスの脅威を改めて思い知る。予防の注射を何度打てばいいというのか。
対策と社会経済活動を両立させる国の方針の下、行動制限がなかった今夏。お盆や夏休みを利用した帰省、観光などで人の移動が増え、3年ぶりのイベント開催も相次いだ。それとの引き換えのように、拡大した市中感染。クラスターも続発している。全国的に陽性者数が高止まり傾向にある中で、医療機関や保健所の負担が続く。学校の2学期が始まり、子どもたちに広がらないよう警戒が必要だ。
第7波が収まっても、また波はやって来るのだろう。終息の見通しが全く立たない。高齢者施設で暮らす母親は、施設の決まりで外出できず、今夏もお盆の墓参りを諦めた。親族は感染し命を落とした。何とも罪深きウイルス。「コロナにかかっちゃった」と先日、関西に住む娘から電話。ため息が出た。(下)









