夏が終わろうとしている。新型コロナウイルスの流行で2020、21年は中止したり、規模を縮小したりする行事が多かったが、今年の夏はほとんどが3年ぶりに復活した。苫小牧市の樽前山神社例大祭の露店やみこし、とまこまい港まつりのほか、厚真町の田舎まつりなどもにぎわった。
一方、感染の第7波も全道で猛威を振るい、8月18、19日の感染者は8000人を超えた。3年ぶりに行動制限のない夏休み、お盆休みが影響しているのは間違いなさそうだが、多くの夏まつりの感染対策が十分だったかの検証は難しい。さらに、政府が表明した「全数把握」の見直しで、どんな要因がどこまで感染を広げるのか、軽症者を含め対策はこれでいいのか―が一層つかみにくくならないか不安が残る。
毎夏、審査に参加している「大好き! 苫小牧港フォトコンテスト」でコロナ禍が始まった20年、テントの中でくつろぐマスク姿の家族写真が入賞した。マスクを着けている人の表情は当然分かりづらいが、審査委員長の写真家竹本英樹さんは「今年の記録として残しておかなければならない」と推した。その翌年も、今年も、レンズが捉えた人たちのマスク姿は変わらない。が、今年の受賞作には「やっと外に出られ、風景を見ることの幸せが感じられる」と竹本さんは評する。マスクに邪魔されない満面の笑みが、その年の記録として選ばれる日が来るのはいつになるのだろう。(吉)









