高校とまちづくり

高校とまちづくり

 むかわ町穂別の小中学校・高校の関係者が8月末、穂別高校(普通科)の存続を求め、道教育委員会に要望した。6月公表の公立高校配置計画案で、同高の生徒募集を2025年度に停止する方針が示されたためだ。

 生徒の募集停止は、同高の入学者が今年8人、昨年は7人と2年連続して10人を割ったことが大きい。06年に道教委が策定した「新しい高校教育に関する指針」を根拠にしている。

 提出した要望書では、4年前の胆振東部地震の復興や新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、誘致活動で生徒の確保が当初目標に達しなかったとし、特殊事情を考慮の上、募集停止の再考・猶予を求めている。

 町には、06年の合併前から穂別、鵡川の二つの高校があるが、約38キロ離れていることから、それぞれの地区にとって高校は重要な役割を担う。それが閉じれば地区のまちづくりの上でも大きな痛手だ。国の「まち・ひと・しごと創生基本方針」の中でも、地方創生の実現のための政策の一つに高等教育の位置付けを重視している。

 コロナ下でテレワーク活用や情報通信技術が急速に進み、今後、デジタル教科書が普及すれば、生徒の学習環境がもっと変化していくに違いない。「生徒が減少、はい閉校です」というのではあまりに素っ気ない。まちづくりへの影響を考え、どうすれば高校の魅力を高め存続させられるのか。道教委にはより柔軟な対応を求めたい。(教)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る