先日のNHK総合テレビのニュース番組の字幕に「タイアップ(連携)して」との表記があった。知床半島の観光船事故犠牲者の捜索を行った海上保安庁職員の、活動内容を説明した発言の字幕だ。
数日後の全国紙記事には「コンセンサス(意見の一致)」というくだりもあった。たまたまなのか、緩んでいた用字用語の原則が、大手報道機関でも改めて見直されているのか。後者だといいな―そんなことを考えながら画面や記事を見直した。
カタカナ語の乱用について、この欄で何度か書いた記憶がある。40年ほど前の勤務地での自衛隊基地のS元司令の厳しい指摘が発端だった。「なぜ日本語で書かないのか。田舎新聞に特に多いぞ」。耳が痛かった。
本社が使っている時事通信社の「用字用語ブック」では「カタカナ語は専門用語が多い。乱用しない」が大原則。使う場合は訳語・説明語を付けるなど読者の理解を助ける工夫が必要―とし、ドローン(小型無人飛行機)などを例示している。アクセス(交通手段)やケアプラン(介護サービス計画)などカタカナ書きが定着したと考えられるものは訳語を省略できる。定着の判定は難しいが、ガラスやコップ、外来の運動競技の規則に、いちいち説明は不要か。
コロナ禍。カタカナは整理しておきたい。ロシアのウクライナ侵攻もカタカナに加勢する。欧州最大級の原発の名前に新聞ではザポリージャ、ザポロジエの2種類が混じる。ああ。(水)









