8月に東京都で開かれた第45回全国JOCジュニアオリンピックカップ夏季水泳競技大会の女子50メートル×4フリーリレー(11~12歳)で、スコーレ千歳が3位に入賞した。苫小牧市の黒崎ゆら(沼ノ端中1年)がエースとしてチームをけん引、スコーレ千歳初のメダル奪取の原動力になった。
同種目には、全国から同大会出場のための標準記録(1分55秒75)を突破した18チームが出場。メンバーは1泳黒崎、2泳石黒梨恵奈(千歳桜木小6年)、3泳吉本想(砂川中1年)、4泳酒井桃花(千歳北陽小6年)。
予選で1分51秒90のチームベストをマークして3位通過したスコーレは、決勝でも1泳の黒崎が27秒65の自己ベストタイの4位でつなぐと後続も奮闘、1分52秒03で3位に食い込んだ。
黒崎は「個人的には27秒台前半、自己ベスト更新を狙っていたので納得はしていない。チームで優勝したかった」と手厳しい。それでも決勝前にはメンバーの緊張を解く気配りを見せるなど、「全員が27秒台」の目標に大きく近づく泳ぎにつなげた。
指導するスコーレ千歳の北本剛毅さんは「ゆらにはエースとして1泳を任せてきた。自然にみんなを引っ張ってくれたし、競技力だけじゃなく、人間力でも成長を感じた」と笑みを見せる。
水泳を始めたのは4歳。「プールで遊ぶのが楽しかった。好奇心」。スコーレ千歳では小学4年から選手コースに入り、5年生になると頭角を現した。全国JOCジュニアオリンピックカップの50メートルフリーの標準記録も突破したが、コロナ禍で大会が流れるなど挑戦の場を失う中でコツコツ努力を積み上げた。6年夏、やっと出場した全国では個人(50メートルフリー)、リレーともに振るわず、悔しさも味わった。
今大会、個人の50メートルと100メートルフリーでも標準記録を突破して出場した黒崎。68人が出場した50メートルでは予選10位、49人が出場した100メートルは同12位といずれも8位までの決勝進出は逃した。「50メートルは泳いだ感覚は良かったが、タイムを見てがくぜん。前日のメダル(リレー)で気が抜け、集中できなかった」と振り返る。
当面の目標は北海道代表として出場する10月のJSCA全国ブロック水泳競技大会(高知県)の上位入賞だ。個人種目のほか、リレーメンバーも今大会と同じ布陣での出場が予定されている。
さらに11月の誕生日を迎えると、競技の年齢区分も13~14歳に上がり、レベル、標準記録ともに上がってくる。黒崎を含む中学生だけで組んだ7月の札幌ジュニア大会50メートル×4フリーリレーの1分48秒68は、短水路の女子と中学生の北海道記録にもなっており、今後の泳ぎにも期待がかかる。「人間力、競技力などすべて上げていくように練習する。上で戦える準備をしたい」と力が入った。

















