布川事件 桜井さんの生きざまに触れる 冤罪被害追った映画上映 

布川事件 桜井さんの生きざまに触れる
冤罪被害追った映画上映 
殺人の冤罪に巻き込まれた過去を振り返る桜井さん

 1967年に茨城県利根町で起きた強盗殺人事件「布川事件」で冤罪(えんざい)逮捕され、29年間を獄中で過ごした桜井昌司さん(75)を追ったドキュメンタリー映画「オレの記念日」(金聖雄監督)が19日、苫小牧市文化交流センターで上映された。市民ら114人が来場し、苦難も生きる喜びに変える桜井さんの人生に触れた。上映後は桜井さんも登壇し、冤罪を生まない社会の実現を強く訴えた。

 上映会は桜井さんを支援してきた、国民救援会北海道本部が中心となって企画。道内6カ所で行い、苫小牧市は巡回上映の最終日。

 桜井さんは20歳の時、知人男性と共に、同町布川で起きた殺人事件の犯人として警察の厳しい取り調べを受け、虚偽の自白をさせられた上、殺人犯として逮捕された。

 96年に仮釈放されるまで、獄中生活を強いられた。その後も無罪の訴えを続け、2011年に無罪判決を獲得。昨年、国家賠償裁判で全面勝訴した。

 同作は、無罪判決の前年から12年間の桜井さんの歩みを記録。冤罪被害に巻き込まれるという絶望的な状況下でも、「とにかく明るく、楽しく面白いものを見つけて生きよう」と前向きな気持ちを失わなかった生きざまに多くの観客が深く感動した様子だった。

 各地で精力的にライブ活動などを重ね、自分と同じ冤罪被害者の支援に力を注ぐ場面では目を潤ませる人もいた。

 上映後、登壇した桜井さんは「どんな人生を送ったとしても、どこにでも幸せはある」と強調。一日を精いっぱい生きることの意義深さを訴えた。一方、冤罪を許してしまう日本の司法制度の問題点も指摘。母を思い、獄中で制作した曲「かあちゃん」を涙ながらに歌い上げ、冤罪被害者を二度と生まないような制度の実現を願った。

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