新人記者が担当する最初の取材先は警察署となることが多い。俗に「サツ回り」と言われるもので、筆者も40年以上前の記者生活スタートはサツ回りだった。場数を踏んで事件事故に精通し、一癖二癖ありそうな年配の警察幹部を前に緊張しながら取材した当時が懐かしい。
そのサツ回りを始めて間もなく母子2人が交通事故で死亡する事案に直面した。苫小牧の中心部交差点で車同士が衝突し、その弾みで1台の車が歩道に乗り上げ、歩いていた母子が巻き添えとなった偶発的な事故。それだけに痛ましく悲しく、やるせない気持ちとなったことを鮮明に覚えている。
その後も数々の事故を「目撃」した。薄暮時に左折の大型トラックの後輪に巻き込まれ、死亡した高齢の女性、猛スピードのワゴン車が停車中のトラックの後部荷台に突っ込み、左側座席に乗車の3人が犠牲になるなど悲惨な現場を目にしてきた。
実は、自身も事故の当事者になったことがある。駐車場から市道に出る際、左側の生け垣に隠れた歩道から自転車で来たお年寄りと衝突した。幸い、大事に至らなかったが当時、取材先に向かうため気が急いていた。時間に余裕を持たず、安全確認不十分だったことが反省点だ。
交通事故には必ずと言ってよいほど原因がある。「絶対、大丈夫」は通用せず、起こるべくして起こるというのが教訓だ。事故死ゼロを目指し、秋の全国交通安全運動が続く。(教)









