苫小牧高専サッカー部がこのほど、香川県で行われた第57回全国高等専門学校体育大会サッカー競技兼第55回全国高等専門学校サッカー選手権大会で3位と大健闘した。同校創部以来初の快挙。多賀健監督は「コロナ禍で満足な練習ができなかった中、ここまでの結果を出した選手たちを誇りに思う」と選手らをたたえた。
同大会には各都道府県・ブロックで開催された大会で勝ち抜いた16チームが参加。苫高専は7月に行われた全道大会で優勝を果たし、道代表として出場した。
初戦は長岡(北信越)との一戦。前半にフリーキックのチャンスを与えて先制点を奪われた。主将を務める秋山尊(5年)は「過去に同じ展開で決められたことを思い出した。みんなで切り替えようと気持ちを強く持った」。すぐに秋山が点を返すと、PKのチャンスを物にして逆転。後半も得点を重ねて4―1で初戦を突破した。
続く2回戦は毎年連続出場を果たしている一関(東北)。「今までで一番の入りだった」と話すように、コーナーキックからのこぼれ球、ロングシュートなどを正確に決めて前半から3点をリードした。後半に1点を追加し、4―0の勝利に「無失点で試合を終えたことは自信につながった」と語る。
準決勝の相手は優勝候補筆頭の久留米(九州・沖縄)。前半から積極的に攻めた苫高専は良い形で何度もチャンスを演出するも得点には結び付かず、やっとの思いで先制。しかしここぞの場面で踏ん張れず、後半に1点を追加しながらあと1点が遠く、2―3にとどまった。秋山は「負けてとても悔しかったが、1回戦での逆転勝ちや無失点での勝利、強豪相手に善戦できたこともチームの成長を大きく感じた」と振り返った。
守りから素早い攻撃を―。苫高専の戦術は全国でも大きく通用した。多賀監督は「戦術や技術に加え、仲間を思う気持ちなど人間性を重視して指導してきた。チームの一体感も上がり、日を追うごとに良いチームになった」と目を細めた。
今年で引退の秋山は「後輩には技術も人間性もいいものを持っている選手がたくさんいる。自分たち次第で大きく成長できることも今回の大会から学んだと思う。次は全国優勝を目指して頑張ってほしい」と思いを託した。

















