胆振、日高、渡島地区の漁業協同組合などで組織する、えりも以西栽培漁業振興推進協議会が先月、高級魚マツカワカレイのブランド規格「王鰈(おうちょう)」の定義を改めた。従来はえりも以西海域で水揚げされた体長35センチ以上を「王鰈」と呼んでいたが、さらに「活」や「活締め」などより良い品質で提供する条件を加えた。
関係者は認知度を高めて消費を拡大しようと、新たに王鰈の実寸大パンフレットも作った。「まず名前だけでも覚えて」と低姿勢だが、「鰈(かれい)の王様」と名付けるだけに、自信たっぷり。「一度食べれば分かるおいしさ。ひれ伏してしまうかも」と売り込んでいる。
そんな言葉を聞いているうち、ふと嫌な感覚に襲われ、当紙の記事を検索する社内データベースで「王蝶」と打ち込んでみた。発音は同じだがチョウの王様。本来であればヒットしないはずの単語が、何度か紙面に掲載されていた。伏しておわび、訂正し、過去の記者の分まで「鰈の王様」の魅力発信に努めたい。
今が旬の新王鰈。通年で取れる魚だが、この時期は冬の産卵期を控え、栄養をしっかり蓄える。癖が少なく甘い白身は、厚みを増しつつ引き締まり、弾力ある歯応え。エンガワはまろやかな脂で、しっとりとした食感。個人的には刺し身がお薦めだが、煮付けにしても、焼いてもよいとのこと。ぜひ一度、味わってほしい。(金)









