室蘭児童相談所苫小牧分室(苫小牧市双葉町)が2021年度に対応した児童虐待の件数は608件(速報値)に上った。虐待対応は、西胆振3市3町が室蘭児相の本所(室蘭市)、東胆振1市4町と日高管内7町が苫小牧分室と担当を分けているが、同分室が全体件数の8割を占めた。虐待種別で7割が子どもの心を傷つける心理的虐待で、実父からの被害が目立った。
苫小牧分室の開設は21年1月と年度途中だったため、同分室の1年間を通じた件数集計の公表は21年度分が初となる。
集計によると、21年度に同分室が警察や自治体などから受けた虐待疑いの通告は628件、事実確認後に虐待事案として職員が実際に対応したのは608件。本所への通告は192件、対応は168件。合わせると全体で通告820件(前年度比216件増)、対応776件(同245件増)を数え、共に過去最多を更新した。件数と子どもの人数は同数。
同分室が対応した虐待の種別は、暴言や無視、子どもの目の前で配偶者などに暴力を振るうDVなど「心理的虐待」が425件(69・9%)と最多。子どもに直接暴力を振るう「身体的虐待」は90件(14・8%)、食事や衣服を適切に与えないなど養育怠慢(ネグレクト)は87件(14・3%)、性的虐待は6件(1%)となった。
虐待者の5割が実父で、4割が実母。その他が1割だった。同分室が対応に当たった被害児童608人のうち、小学生が235人、未就学児が233人。中学生は89人、高校生以上は51人だった。同分室の児童福祉司らが保護者に養育について助言、指導する「助言指導」などを行ったほか、被害児童12人を児童福祉施設や乳児院などに入所させた。
板橋潔分室長は昨年度の状況について「配偶者間や交際相手への暴力に対応した警察が、暴力行為を近くで見ていた子どもへの心理的虐待を児相に通告する―というケースが特に多かった」と話す。
また、対応に当たったうち、苫小牧市在住の児童がが487人と8割を占め、「苫小牧分室の設置によって、市内からの通告件数が増えたのではないか」とみている。
今年度も同分室には連日のように通告が寄せられている。中には緊急を要するケースもあるほか、日高地区からの通告も目立っているという。板橋分室長は「関係機関との連携を強め、対応に当たりたい」と話している。
















