北海道電力(札幌)など5社は、国内最大規模の水素製造装置の導入を目指し、苫小牧市やその周辺の調査事業に着手する。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業で来年9月まで、水を電気分解して生産する「グリーン水素」のサプライチェーン構築の可能性を追求する。脱炭素社会実現に貢献する取り組みで、同社は「苫小牧地域は再エネポテンシャルが高い。社会実装、事業化を目指す」としている。
10月27日付で、水素の利活用などを目指すNEDOの公募事業に採択された。同社、北海道電力ネットワーク(札幌)、ENEOS=エネオス=(東京)、JFEエンジニアリング(同)、デロイトトーマツコンサルティング合同会社(同)の5社で、来年9月まで「北海道大規模グリーン水素サプライチェーン構築調査」を展開する。事業費は非公表で、準備が整い次第、調査に着手する。
北電によると、道内は太陽光や風力など再生可能エネルギー資源が豊富だが、本州との電力融通量に制限があるため、余剰電力の活用や再エネ電源の出力変動への対応が課題。水の電気分解で造る水素「グリーン水素」を、電力の需給調整に使うことで、これら課題の解決に期待しているほか、二酸化炭素(CO2)を排出しないため、カーボンニュートラル(CN、温室効果ガスの排出ゼロ)実現にもつながる。
調査は、道内でグリーン水素の製造や輸送、利用などのサプライチェーンを構築するのが狙い。苫小牧市やその周辺で国内最大規模の水電解装置(100メガワット級)を導入し、燃料電池自動車の充塡(じゅうてん)約200万回分、年間1万トン規模のグリーン水素を製造する想定。来年9月まで5社が役割分担しながら、地域の工場や水素ステーションでのグリーン水素需要量を調べ、事業モデルを構築して事業性を評価。調査後、実機実証を経て事業化を目指す方針だ。
北電は「苫小牧地域はCNに前向きで、水素製造、利活用のポテンシャルが高い。コンビナートなど工業地帯があり、新千歳空港も近く、需要が見込める」と説明。5社共同で「国内最大規模のグリーン水素サプライチェーンの社会実装を通して、CN社会の実現やエネルギー自給率の向上に貢献していく」とコメントしている。
















