苫小牧市は2023年10月、介護認定や在宅介護用品支給の申請受け付けなど、介護保険業務の一部民間委託を始める。高齢化の急速な進展に伴って介護保険サービスの利用者がさらに増えていくと予想される中、業務への民間活力導入により、業務の安定的な運営を図る考えだ。
委託する主なものは、(1)介護保険申請の窓口業務(2)介護認定に関わる業務(3)介護保険給付業務(4)電話応対やパンフレット配布などその他業務―。
具体的には介護認定、福祉用具の購入・住宅改修、負担限度額認定、居宅サービス計画作成依頼届―といった各種申請の受け付けや入力作業をはじめ、介護保険サービス利用に関する相談・問い合わせへの対応、各種通知の作成や発送など事務作業が中心となる。
現在は介護福祉課がこれらを担当しているが、民間委託後、受託事業所の従業員が市役所1階の同課窓口で業務に当たる。要介護認定の申請者に対しては市が調査員を派遣。介護サービスの必要度を調べる介護認定業務など根幹的な部分は従来通り同課が担う。
苫小牧市でも高齢化が急速に進展している。市の統計によれば、各年9月末時点の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は2002年で15・8%だったが、15年には25・4%と市民の4人に1人に。今年6月末には初めて30%台に達した。
高齢化率は今後も上昇傾向をたどるのは確実。25年には団塊の世代の全てが75歳以上の後期高齢者となり、40年には65歳以上市民の割合がピークの34・7%に達する見通しだ。同時に介護サービスを利用する要介護認定者も右肩上がりで増えていき、40年の認定者数は1万3576人、認定率(高齢者人口に占める認定者数の割合)は25・6%になる―と市はみている。
こうした中で市は、同課の業務量や職員に掛かる負担が増大していくと予測。一方で介護事業所に対する指導・監督強化や、深刻な介護人材不足への対応などさまざな行政課題も抱えており、介護保険業務を安定的、効率的に進める方策として一部民間委託の導入を決めた。
委託事業者は、プロポーザル(公募提案)方式で年内に選定し、来年1月に契約を締結する考え。委託開始の同年10月までに引き継ぎ期間を設け、スムーズな移行を目指す。
同課は「介護保険業務の一部民間委託は道内の自治体でも珍しい試み。さまざまな工夫で、これから迎える高齢化のピークに備えたい」と話している。
















