映像作品の優れた制作技術者を表彰する「第26回JPPA AWARDS」(日本ポストプロダクション協会主催)で、苫小牧市出身のエディター佐々木茂さん(48)=日テレ・テクニカル・リソーシズ=が最高賞の経済産業大臣賞を受賞した。ドキュメンタリー「大島桜さんのお引越し」の編集技術が、高く評価された。佐々木さんは「やり切った感じがあり、もう引退してもよいかなと思えるほどうれしい」と喜ぶ。
今回は映像、音響など全24部門に計125作品が出品され、佐々木さんはオフラインドキュメンタリー部門の優秀賞を獲得。審査の結果、各部門の優秀賞の中で最高賞に輝いた。
受賞は6月2日付。他部門の優秀賞にはシンガーソングライターVaundyの「泣き地蔵」のMV、映画「ドライブ・マイ・カー」の制作者らが名を連ねた。
本作は横浜市内で伐採の危機にあった樹齢150年の大島桜移植プロジェクトを追った内容。今年1月、NHKBSプレミアムなどで放送された。
佐々木さんは、編集に当たって300時間以上の映像素材をすべてチェック。大島桜を擬人化するなどし面白く見てもらうことを優先しつつ、現場で移設を指揮した当時93歳の桜守の動きも丁寧に追った。
視聴者目線や、映像を初めて見た時の感覚を重視した編集をモットーとする佐々木さん。「予定調和は避けたい」と言い、クレーンでつるされたサクラが移動する映像に大島桜の気持ちを想像したモノローグとワルツの音色を重ね、空を舞っているように見せる大胆な構成にした。こうした工夫が「ドキュメンタリーの何たるかを気づかされた」などと審査員らの高い評価を得た。
苫小牧光洋中学校、南高校を経て東京の日本工学院専門学校で音響技術を学んだ後、札幌の映像制作会社で編集技術を磨いた。
俳優の大泉洋さんや戸次重幸さんらの舞台映像の制作に従事し、35歳で今の会社に転職。編集マンとして全国各地の災害報道に関わり、リオオリンピックでは現地の撮影チームに加わった。
ミャンマーで報道番組の制作手法を現地の人に指導するなど「地方出身者としての経験は、さまざまな場面で生かされてきた」と強調。現在は、光洋中時代の恩師を主役にしたドキュメンタリーを制作中で「いつかは、まだ経験がない映画の編集も手掛けてみたい」と、次の目標を見据えている。
















