苫小牧市真砂町で二酸化炭素(CO2)を分離、回収し、地中にためる「CCS」実証試験などを行う日本CCS調査(東京、JCCS)は19日、プラント見学会と講演会を開いた。見学会は24人、講演会は約200人と定員いっぱいの参加で、参加者はCCSなどの重要性を再認識した。
苫小牧のCCSは国の大規模プロジェクトとして2012年度から展開。JCCSが事業を受託し、16~19年度にCO2を海底の地層に30万トン貯留し、安全に実用化できる技術と証明した。21年度からCCSに有効利用の「U」を加えたCCUS拠点化実証事業を展開し、24年度にも世界初とされる液化CO2の船舶長距離輸送の実証を行う。
見学会と講演会は毎年開いてきたが、新型コロナウイルスの影響で19年度(20年2月開催)以来の開催となった。見学会ではCO2を分離回収する設備や圧入井などを公開し、市錦町の会社員、鐘ヶ江啓江さん(62)は「以前から興味があって初めて参加した。地球温暖化対策に必要な技術と改めて分かった」と話していた。
講演会は市内のホテルで開き、気象予報士の菅井貴子さんは「北海道の気候が変わってきている」と指摘。夏は暑く、冬は寒さが緩んで「史上初」の現象が増えており、「北国ほど急ピッチで温暖化が進んでいる」と説明した。また、オホーツク管内佐呂間町の06年の竜巻災害などを例に挙げ、「地球の基礎的なところから見直さないと。CCSは温暖化を防ぎ、緩和し、適応する技術」と期待を寄せた。
JCCSの中島俊朗社長は「CCSはカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ)実現に必要不可欠な手法の一つ」と理解を求め、「船舶の輸送実証も安心、安全を最優先に取り組む」と意欲を見せた。岩倉博文市長も苫小牧CCUS・ゼロカーボン推進協議会会長として登壇し「地球を守る取り組みがCCS、CCUSだ」と訴えた。
このほか資源エネルギー庁の佐伯徳彦企画官(CCUS政策担当)がCCS商用化に向けた動きなどを説明し、苫小牧の可能性の高さを強調した。
















