世界には共通する二つの時計があるとされる。一つは国連人口基金が特設ページに開設する世界人口時計。1週間前の15日に世界人口が推計80億人を突破したとの報道があったばかり。実際にその時計を見ると21日午前10時現在、80億104万6184人にまで増えていた。
報道によると、人口は今後も増え続け、2058年には100億人、80年代に約104億人のピークに達し、その後に減少に転じるらしい。1950年の25億人、87年の50億人と比べ、近年伸びが鈍化しているとはいえ、一時の4倍の人口に地球は「重い」と悲鳴を上げるかもしれない。環境への影響も心配だ。
もう一つの時計は、世界週末時計。米国の科学誌の表紙絵に使われている仮想時計で、核戦争や地球温暖化などによる人類の滅亡時刻を零時とし、残された時間を「分」や「秒」で表している。社会環境が改善すれば針も後退するのが特徴で、最も零時から遠ざかったのはソ連崩壊による冷戦終結となった1991年の残り17分。一方、2020~22年は100秒前で、1947年の創設以来、最も零時に近づいた。
特に22年はロシアのウクライナ侵攻前に発表の数字。核の脅しで世界を震え上がらせ、度重なる北朝鮮のミサイル発射実験など混とんとする国際情勢は反映されておらず、年明け早々に発表される残り時間に緊張感が高まる。世界平和は、国々の努力なしにはやってこない。(教)









