苫小牧市は子どもたちが性に関する正しい知識を身に付けられるよう、性教育の充実に力を入れている。今年度は高校で行ってきた性教育講演会を中学校でも本格的に始め、性教育の実践状況について、学校関係者が情報交換する「思春期ネットワーク会議」の対象も中学まで拡大。性教育のノウハウを持つ講師の情報を取りまとめる、人材バンク事業にも乗り出した。
子どもたちが命の尊さや妊娠、避妊、人工妊娠中絶、性感染症などに関する正しい知識を持つことで、自身や周りの人をより尊重できるように―と市は2016年度、高校で性教育講演会をスタート。神奈川県の泌尿器科医岩室紳也さんと札幌市の助産師吉裕子さんを講師に迎え、希望する学校で順次、開催してきた。
受講した高校生からの「もっと早く聞きたかった」といった声を踏まえ、昨年度は中学校4校で試行。好評だったため、今年度は中学校9校、高校8校で計画されている。
教育現場で実践されている性教育の現状について情報交換する「思春期ネットワーク会議」の対象も中学まで拡大。今月14日に市役所で開かれた会合では、中学、高校で性教育を担当する教諭や市健康支援課、市教委の職員ら25人が課題などを話し合った。
今月から始まった人材バンク事業では体や生殖の仕組みのほか、人間関係や人権、性の多様性、自己決定、暴力と安全確保、ジェンダー平等など包括的な性教育のノウハウを持つ有資格者の情報を市が取りまとめ、ホームページなどで公開していく。学校や児童センター、こども食堂など子どもたちが集まる場でリストの活用を促していく。
市が性教育に力を注ぐ背景には、望まない妊娠に苦しむ子どもが市内でも後を絶たない現状がある。苫小牧保健所の情報を基に市がまとめた統計によると、19年度に市内で人工妊娠中絶を行った19歳以下の女子は17人おり、最年少は15歳だった。
今年度、性教育講演会を受講した高校生を対象に市が行っているアンケートでは、1割程度の生徒が「性交の経験がある」と回答。好きな人から「セックスしよう」と言われ「断る」と答えた生徒は3割にとどまった。特に男子生徒は約8割が「断れないかも」「する」などと性交に積極的な姿勢を示す結果となった。
SNS(インターネット交流サイト)の普及で性被害への懸念が強まる中、市健康支援課は「子どもたちが正しい情報を得て選択する力を育めるよう、今後もできる限りのことをしたい」と話す。
性教育や人材バンクに関する問い合わせは同課 電話0144(32)6411。
















