北海道栄高校陸上部が新たな金字塔を打ち立てた―。3日に静岡県小笠山総合運動公園スタジアムで行われた第13回エコパトラックゲームズ一般男子4×100メートルリレーで、高校史上6校目となる40秒台切り、高校歴代7位の39秒74をマークした。同校が持つ北海道記録、道高校記録も大幅に更新。3走を担った清水徹(3年)は「メンバーもそろい、タイムを狙うだけだった。走っていて楽しかった」と喜びを語った。
静岡陸上競技協会が主催した一戦。同部には参加標準記録をクリアした高校、大学76チームが出場し9組に分かれタイムレースを展開した。
1走中田敦(2年)、2走橘弘栄(3年)、3走清水、4走エケ・ジュニア瑠音(同)の布陣で挑んだ道栄。「緊張よりもわくわくしていた」という中田がスタートダッシュを決めると全国高校総体(8月、徳島県)男子100メートル準優勝の橘、夏まで主将を担った清水、高校総体同種目3位のエケと豪華バトンリレーでゴールラインを駆け抜けた。
4人の100メートル平均タイムは10秒59。39秒台は「十分狙える力はあったが、本当に出たときはあっけに取られました」と堀下航監督はうれしそうに振り返った。
高校陸上界の長い歴史で39秒台に到達したのは洛南(京都)、滝川第二(兵庫)、宮崎工業(宮崎)、中京大中京(愛知)、相洋(神奈川)のみ。道栄の歴代最高記録は2015年7月に全国高校総体決勝でマークした40秒43(高松祐孝、寺島和希、工藤稔也、室谷翔太郎)。毎年全国屈指のリレーチームを結成してきたが、40秒台の壁は越えられずにいた。
さらに今年は、6月の道大会で主力のけがやレース時のバトンミスが響き5大会ぶりに高校総体出場を逃す悔しさも味わった。だからこそ「結果を残したかった」と清水は言う。
快挙達成を喜ぶ一方、橘は「出だしで加速し切れなかった」。エケは「今季1番の走りはできたけど、(バトンパスの際に)遅く出てしまったのはもったいない」と伸びしろも吐露。さらなる記録更新は後輩たちに託す。清水は「リレーは個人の速さだけじゃなく、チームワークも大切。部全体で信頼関係を築いていってほしい」とエールを送る。
偉大な先輩たちからバトンを託された中田は「この経験を生かして仲間を引っ張っていきたい」と意気込んだ。
リレーを通じた選手間の一体感醸成を念頭に同種目に力を入れてきた堀下監督は「4人の体調などさまざまな条件がそろわないと記録の出ない競技だが、これからも特別な思いを持って取り組みたい」とする。1、2年生には100メートル10秒台の選手がそろう。「切磋琢磨(せっさたくま)していってほしい」と期待した。

















