先週、５回目のワクチン接種を済ませた。７月に受けた４回目は３回目までと違って副反応は軽かった。それでも周囲に「ワクチンは卒業する」と冗談ともつかずに言っていたが結局、過去最多を日々更新する大きな感染の波に背中を押されて５回目を受けた。２０２０年から広がった新型コロナウイルスの道内陽性者累計は２８日時点で１０４万８３２９人。北海道の人口は約５２０万人。道民の５人に１人が感染した計算になる。自分の周囲に限れば５人に１人も感染者はいないが、目下の感染状況は高水準の状態が続いたまま。基本的な予防策を徹するしかない。

　同時に気になるのは季節性インフルエンザだ。専門家が予防接種を推奨している。冬の流行が懸念されるためで、根拠になっているのが南半球での流行。

　東京都健康安全研究センターがネット上でオーストラリアの感染状況を示している。４月に流行が始まり、真冬の６月がピークだった。ウイルスはＡ型が８割超で、１９歳未満に検出率が高かったとリポートしている。新型コロナがまん延した２０、２１年は世界的にインフルエンザの流行はなかった。一転して今年は、南半球で流行したウイルスの亜型が北半球で冬に流行する可能性があると指摘している。

　少し若かった頃、予防接種をせずにいてインフルエンザに感染し、高熱が出て大いに体調を崩した。本欄を書くのに目を通した資料で、もう一つの予防接種の迷いも吹っ切れた。（司）