きょうから師走。文字通り何かと慌ただしさを感じさせる年の瀬だ。今年も残り1カ月間と突き付けられ、年末や新年への準備も重なり、気ぜわしさが増す。そんな季節を迎えて新千歳空港は、旅客らの足がいっそう早い。世相を反映している。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてきた国際線は、年末に向けて旅客定期便の再開が相次いでいる。1、2両日だけで航空7社が復便を予定している。旅客利用はコロナ前に比べてまだ1割にも満たないが、インバウンド(訪日外国人旅行者)が目につき、空港内のアナウンスも各国語が盛んに飛び交っている。
ただ、外国人に観光の目的を取材し、片言の日本語で「たくさん買い物します」などと言われると、複雑な感情も覚える。円安に歯止めが掛からず、影響が国内の各分野に及ぶ中、まるで日本の大安売り。コロナ前に比べて航空運賃も値上がりし、国際線に日本人旅客の姿はわずか。本格的な復便や旅客利用は、年明けに持ち越した。
一方、国内線は旅客需要がV字回復し、ターミナルビルもかつてのにぎわいを取り戻しつつある。コロナ「第8波」の感染ピークが見通せず、医療体制の逼迫(ひっぱく)も懸念される中、日本人も、外国人もほぼマスク姿で、慎重に移動しているようだ。道も全国旅行支援の利用期間を延長した。人流の抑制をコロナ対策とする時代は終わったと信じたい。(金)









