きょうはテレビを見る。正しくは日付が変わって6日午前0時からのサッカーのワールドカップカタール大会。ベスト8進出を懸けて、日本代表がクロアチア戦に臨む。
2日午前4時から始まった1次リーグ最終戦は、前半スペインに1点を入れられ、見ていられなくなり布団をかぶった。目が覚めたら逆転していた。その後何十回、2人の得点シーンを見たか分からないが、ドキドキハラハラしながら、祈るような気持ちで見詰める興奮や感激は当然、味わえない。
明らかな、にわかファンだ。フォーメーションも何も分からない。でも、世界ランキング24位の日本が7位のスペイン、11位のドイツを破ったのだから、12位のクロアチアにだって勝てないことはない、と素人は考える。31位のコスタリカに負けたことは忘れる。
決勝トーナメント進出で歓喜に沸くニュースをたっぷり見た後、ウクライナ情勢が伝えられる。サッカーに大騒ぎしていていいのか、と後ろめたい気持ちになる。元サッカー日本代表監督で5月に80歳で亡くなったイビチャ・オシムさんも旧ユーゴスラビアをめぐる紛争に人生を翻弄された。クロアチアも激しい戦闘の末、旧ユーゴスラビアから独立した国だ。それでもオシムさんは生前、「スポーツで築いた本当の友情は戦争があってもなくならなかった」と全国紙の取材に語っていた。スポーツの力を信じて、午前0時を待つ。(吉)









