白老町と町環境町民会議は3日、町コミュニティセンターで「しらおい環境セミナー」を開いた。町民約50人が、地元の湿原の魅力と保全に理解を深めた。
講師は、1989年から97年まで生物教諭として白老東高校に勤務していた自然公園財団支笏湖支部職員の榊原茂樹さん(62)。「ヨコスト湿原の価値」をテーマに講演した。
湿原を中心に自然観察を続けた白老での9年間について、「大規模な自然開発や経済振興の改変から、環境保全を前提とした持続可能な自然の利用を模索する大転換の時期だった」と振り返った。
その上で、動植物の多様性が保たれ、上流から下流まで流域全体の自然が維持されているなど、ヨコスト湿原の魅力を伝え、保全の意義を説いた。十数万年前の地層、砂堤列などの地形についても「そのものが郷土の歴史の語り部」と評価し、「ガイド役がいることで、さらに自然への理解が深まる」と訴えた。
同コミセンのロビーでは町内9団体による写真展「白老の自然パネル展」を催し、写真や資料で環境保全の重要性を伝えた。

















