認知症の知識を身に付け、地域住民の立場から患者や家族を支える市民「認知症見守りたい」。苫小牧市は認知症施策の一環で養成に力を入れており、これまでに約200人が誕生した。高齢化の進展を見据え、一層活躍してもらえるよう認知症当事者の買い物への同行やごみ出しサポートなども視野に入れた事業の見直しを模索中だ。
高齢者人口の増加で認知症患者が増える中、市は認知症への理解者を増やす試みとして2006年度、認知症サポーターの養成事業に着手。これまでに約3万人のサポーターを誕生させた。
この取り組みを発展させようと16年度に始めたのが、認知症見守りたいの養成事業。身近で困っている当事者や家族を専門機関などにつなぐのが主な役割で、サポーターの中から意欲を示す人を集めて養成講座を実施している。1日時点の登録者数は214人に上る。
市はこれまで見守りたいに対し、地域での認知症サロンや道に迷った認知症の患者を探す模擬訓練への参加を促してきたが、他に具体的な活動を求めておらず「何をしたらいいか分からない」といった困惑の声も出ていた。
検討を進める中、市介護福祉課は見守りたいについて、認知症患者の買い物同行やごみ出しの手伝い、地域での見守り活動、地域包括支援センターの事業への協力など具体的な活動内容を構想。11月には、登録者に対して意向調査を実施している。
これに先立ち、9月に行われた今年度の養成講座受講者の中で協力の意思を示した6人に、小中学校で開く認知症キッズサポーター養成講座への参加を依頼。講座内の寸劇で認知症高齢者役を演じてもらう内容で、2日は北光小学校で5年生を対象に行われた講座に中川良助さん(77)=有珠の沢町=と中條リエ子さん(67)=山手町=が参加した。
「自分も将来的に地域の支援を必要とするかもしれない。その時のため、今できることを協力したい」と中川さん。中條さんは「(見守りたいの活動を通し)地域で何が望まれているのか、自分には何ができるのか考えていきたい」と力を込める。
市介護福祉課は「これまでは、見守りたいの力を生かし切れなかった部分もある。事業を見直し、より優しいまちづくりにつなげたい」と話している。
















