最近、新聞記事に「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という言葉が頻繁に登場する。7日付本紙には、むかわ町が東京の民間企業と「DX推進へ包括連携協定」を結んだことや、倉庫・港湾運送業の苫小牧埠頭が取りまとめた中期経営計画の中に「物流業務のDX化」を推進していくとの記事が掲載された。
DXは、デジタル技術を活用して既存の制度や仕組みを変革していくこと。新型コロナウイルスの感染対策をきっかけに日本のデジタル分野の遅れが指摘され、菅義偉前首相の肝いりで政府内にデジタル庁が昨年9月に発足。それに前後して急速に露出度合いが高まった。政府は国、地方自治体、民間企業を連携させながらデジタル社会の実現を進める方針で、とりわけ企業のDX関連の研究開発や事業促進に公的支援を打ち出し、脚光を浴びている。
DX推進には、新たなスキルや知識を持つ人材も必要になる。それを外部から求めれば、企業にとって負担増となるが、政府は従業員にリスキリング(学び直し)の機会を用意し、自前で人材を確保できる仕組みづくりを目指す。既存従業員が新しい知識や技術を身に付ければ、余剰人員を出すことなく働き方改革にもつながるとの狙いだ。
リスキリングの具体的な支援内容は今後、詰めていく方針だが、「人に優しいデジタル化」推進のため、事業活用の主体となる企業が前のめりになる仕組みを求めたい。(教)









