物価高

物価高

 スーパーで思わず手に取るのをやめてしまった。いつも購入していたペットボトル飲料。従前と1桁違う値札の表示。たとえ小さな値上がり幅でも、これが積み重なるとじわじわ家計に響いてくる。庶民直撃の物価高が身に染みる。

 物価高は今、始まったことではない。昨年にはガソリン価格の高騰がクローズアップされ、国会でも議論された対策は議題にも上がらなくなった。水準は下がっていないのに。いてつく師走に灯油価格の高止まりも、寒風のようにこたえる。

 そして食品の値上がりがずしり。何度、食品メーカーの値上げ記事に見出しを付けたことか。春先から続く小麦の上昇に加え、原油高に伴う物流費の高騰、今夏からの円安水準も重なる。値上げ理由に納得はできても、もやもや感は残る。

 そこに衝撃的な記事。来年春にかけて食品の値上げが加速するという。民間調査機関の数値だが、冷凍食品を含めて4400品目が引き上げられる。来年2月が多く、さらに品目が拡大するとの情報もある。

 国がこの物価高に打って出た対策は7兆8000億円。何と国の年間防衛予算の1・5倍。この巨額予算が、家計の直接的な負担軽減になるのか。どうも不透明だ。企業など間接的な団体への対策が中心だからだ。いつまで続く物価高。これに中身の議論をすっ飛ばして、防衛費増額を補うための増税論まで浮上する。庶民の我慢がしばらく続く。世知辛い師走。(昭)

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