第75回北海道高校スケート競技選手権大会スピードスケート競技は17、18両日、柳町スピードスケート場=釧路市=で男女9種目が行われた。男子1万メートルで引地朔野(駒大苫小牧3年)が2位。3人一組で挑む女子のチームパシュートでは、駒大苫(阿部春琉斗・中村憲吾・引地)が3位だった。
男子1500メートルの船崎優太(駒大苫2年)が4位。同1000メートルの阿部(駒大苫1年)は8位と健闘した。
【男子】
▽1000メートル (8)阿部春琉斗(駒大苫小牧)1分18秒97(10)佐藤来信(同)1分19秒24(14)小林空(同)1分20秒74▽1500メートル (4)船崎優太(駒大苫小牧)1分59秒30(11)小林空(同)2分7秒47(16)大野隼輝(同)2分11秒84▽1万メートル (2)引地朔野(駒大苫小牧)14分51秒02(8)中村憲吾(同)16分16秒67▽チームパシュート (3)駒大苫小牧(阿部春琉斗・中村憲吾・引地朔野)4分26秒71▽2000メートルリレー (5)駒大苫小牧(船崎優太・佐藤来信・清水隆太郎・阿部春琉斗)2分37秒71
【女子】
▽1000メートル (9)門田ひなた(駒大苫小牧)1分31秒33(13)中山萌(同)1分32秒61(18)加納莉那(同)1分38秒87▽1500メートル (12)手束柚杏(駒大苫小牧)2分25秒90(14)平吹美歩(同)2分26秒38(15)韮澤理子(同)2分29秒05▽チームパシュート (4)駒大苫小牧(手束柚杏・平吹美歩・韮澤理子)3分52秒43▽2000メートルリレー (5)駒大苫小牧(門田ひなた・中山萌・加納莉那・中村宙奈)3分8秒94
― 引地、自分のペースで粘り
1周400メートルのコースを25周する1万メートルで、駒大苫の引地が粘りの滑りを見せた。
自身より20秒以上速い屋内記録を持つ立花(白樺学園)と同じ最終組に登場。相手が先行する展開になったが、「意識せず自分のペースでいこう」と設定した35秒台のラップタイムを維持することに専念した。
1秒以上あった差を巻き返したのは5600メートルから。徐々にラップタイムを落とす立花を尻目に、引地のペースは一切乱れなかった。同組での勝利を確信したのは1秒10差がついた7600メートル付近。計23周でラップタイムを35秒以下に抑え「いい結果が出せてうれしい」と相好を崩した。
終盤まで体力が持つよう、力感のない滑りを模索し続けてきた。踏み込む際に「力を入れるポイントが絞れるようになった」他、ショートトラック練習を通じてコーナリング力が向上。加速しながら直線に入ることで、より体力が維持できる滑りを確立した。
16日の大会初日に4位となった5000メートルとの2種目で全国高校総体上位が期待される。「両方とも優勝を目指して勝負していきたい」と意気込んだ。
―手束(駒大苫)ふるさとで力走
駒大苫の手束(3年)=釧路景雲中卒=が、小学時代から慣れ親しんだスケートリンクで奮闘。「気合を入れて臨んだ。いま自分ができる滑りはできた」とすがすがしい表情を見せた。
女子1500メートル、3000メートルの個人2種目で駒大苫勢トップの成績。同種目に挑んだ伸び盛りの平吹(1年)、韮澤(2年)に先輩の意地を見せた。大会最終日のチームパシュートでは、その後輩2人をけん引。練習から「先頭に立って引っ張ることを心掛けてきた」と言うように、6周のうち最多の3周で先導役を務めた。
会場では釧路スケート連盟の関係者ら顔なじみから、ひときわ声援を受け「すごくうれしかった。おかげで頑張ることができた」。
駒大苫の女子選手でたった1人の最上級生。中学3年の夏に日帰りではるばる同校のオープンキャンパスに参加し、「オリンピアンの(田畑)真紀さんやチームの雰囲気の良さに引かれた」と進学を即決した。
決して平坦な道のりではなかったが、歴代の先輩たちや田畑監督に支えられながら高校スケート人生を全うすることはできた。
卒業後は教員になる夢を追うため競技の一線から離れる。来年の全国高校総体を集大成と位置付け「いい結果を残して終わりたい」と決意を新たにした。




















