今年も残すところ10日余り。クリスマスやお正月に向けて、街中が華やぎを増しながら、1年間を締めくくろうとしている。国内の新型コロナウイルス感染拡大も3年がたとうとする中、多くの人のマスク姿は変わらないものの、「コロナ前」を確実に取り戻しつつある。
コロナ第8波がいまだ沈静化しない中、3年ぶりに迎えた行動制限のない師走。振り返るとこの1年、長引くコロナ禍と社会経済活動の再生を象徴するように、「3年ぶり」の言葉が何度も紙面に登場した。市民は地域イベントなどの復活を歓迎し、深刻な打撃を受けてきた飲食業や観光業などは、需要の回復に期待をかけてきた。
一方、コロナ対策との両立は揺らいでいる。東胆振1市4町では手足口病の「警報」、水痘(水ぼうそう)の「注意報」と、3年ぶりの発令が相次いだ。いずれもウイルス感染症だが、この2年間はコロナ対策の徹底が奏功し、感染は拡大していなかった。この冬はさらに季節性インフルエンザの同時流行も懸念されている。
若い世代ほどワクチン接種率は伸び悩み、危機意識の低下は「コロナ慣れ」とも言われる。年末年始を楽しく過ごすためにも、感染対策をいま一度徹底したい。医療従事者はもちろん、保健所や各市町の職員らは、仕事とはいえコロナ対策に汗をかき続けている。その労苦に思いをはせれば、できることは、きっとあるはずだ。(金)









