出口見えず

出口見えず

 会社を休み、自宅でいま、コロナと格闘している。妻が感染した。日曜日の陽性判明から4日過ぎても体調が優れない様子を見つつ、3度の食事の準備、室内の換気、おむつを着ける老犬の世話と忙しい。部屋の消毒で手も荒れた。今週末に予定していた5回目ワクチン接種はキャンセルした。

 平屋極小住宅での自宅療養。2人の距離を取るのは土台無理だ。薄っぺらいふすまの向こうから昼も夜も、ごほごほとせき込む音が聞こえてくる。妻は愛犬にうつりやしないかと心配しているが、家の中を飛び交うウイルスに自分もいつやられるか分からない。会社の同僚は電話口で、取りあえず気合で乗り切って―と励ましてくれたが、防ぐ自信はない。

 看護師の妻は職場で感染した。勤める障害者福祉施設で大勢の感染者が発生し、防護服を着込んで対処に当たったものの、隙を突かれたらしい。施設の利用者や職員に拡大した速さは尋常でなかったという。これが新型コロナの怖さ、不気味さだ。

 道内の感染者は累計で約119万人、亡くなった人は3800人を超える。このところ減っているといえど、21日の新規報告も6000人超と高い水準が続いている。移動が盛んになる年末年始が懸念される。

 異常な流行はいつまで続くのだろう。また変異し、やがては第9波を広げるのか。そして、その次も。出口が一向に見えない状況に心が重くなる。(下)

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