ウクライナ

ウクライナ

 誰の幸せにつながるのか。どのような利益をもたらすのか。ニュースを目にするたびによく考えるが、その答えは10カ月もたつのに何も見えてこない。

 2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻。春に勃発した戦争は夏、秋が過ぎ、冬を迎えても一向に戦火は絶えない。ロシアの武器保有数は枯渇傾向との報道もあるが、民間人も含めた無差別攻撃が今も容赦なく続く。ウクライナを「兄弟国」にみなすというプーチン大統領の言葉は皮肉にしか聞こえない。

 パソコン画面で首都キーウの気温を何度も確認している。北緯50・39度に位置するキーウは、苫小牧(北緯42・63度)より北に位置するが、真冬の月平均気温は似ている。気象庁の調べでは、12月は氷点下1・7度、苫小牧が氷点下1・2度。1、2月になれば、共に氷点下2~同3度まで下がる。そんな中、発電所を狙ったミサイル攻撃が続き、暖房や明かりのない生活がたびたび続く。自分の身に置き換えると胸が締め付けられ、同時に戦争の非情さを痛感する。

 本紙24日付の紙面「こどもニュース」の片隅に、女性たちがレオタード姿でダンスのレッスンに励んでいる様子が紹介された。ウクライナの都市リビウのフィットネスクラブ。室内はロシアの発電所への攻撃で停電となり、ろうそくやスマホの明かりをともしての活動。戦火の中で強く生きる女性の姿に、ロシアの暴挙に屈しないという思いが強く伝わってきた。(教)

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