苫小牧署管内 2022事件・事故 下 複雑、多様化する犯罪 万引き急増 目立つ詐欺

苫小牧署管内 2022事件・事故 下  複雑、多様化する犯罪 万引き急増 目立つ詐欺
商業施設で特殊詐欺への警戒を呼び掛ける天輝レオさん(左)

 2022年の苫小牧署管内(東胆振1市4町)の刑法犯認知件数は11月末時点で前年同期比21件増の789件となっており、2年連続で前年を上回るペースとなっている。殺人、強盗事件はなく、凶悪犯の総数は横ばいだったが、万引きや詐欺が急増。犯罪は複雑、多様化している。

 刑法犯の約7割を占めたのは、窃盗の533件(前年同期比23件増)。このうち、万引きが152件(同28件増)と急増した。ドラッグストアをはじめとする複数の店舗を1人で渡り歩き、サプリメントや健康食品などの商品を陳列棚から次々と盗み、逮捕される事案が相次いだ。

 同署の田中康紀刑事3課長は「主に転売が目的で、フリーマーケットアプリを使ってネットで売りさばくケースが多かった」と指摘。店側は防犯カメラの映像を小まめに確認したり、防犯タグを商品に取り付けたりして対策を強化しているという。

 詐欺などの知能犯も45件(同19件増)とほぼ倍増。投資絡みの詐欺が目立ち、9月には市内の70代女性が投資会社の社員を名乗る男から出資金を預ければプロのトレーダーが代わりに取引して利益が配当されると持ち掛けられ、現金2600万円をだまし取られる被害が判明した。

 全国で被害が急増中の架空請求詐欺、還付金詐欺といった特殊詐欺については、1件(同2件減)だったが被害額は392万9000円(同117万9000円増)に上った。

 コンビニ店員や金融機関の職員らが機転を利かし、ATM(現金自動預払機)での被害を未然に防いだケースもあった。「だまされたことを知られたくないと被害届提出をためらうケースもあり、数字は氷山の一角」(生活安全課)。同署は市民の防犯意識向上が必要とみて、8月には苫小牧出身でOSK日本歌劇団の男役スター天輝レオさんを1日署長に、イオンモール苫小牧で「詐欺電話が来たら#9110」などと書かれたリーフレットを配る啓発活動を展開した。

 凶悪犯は、前年と横ばいの6件。4月に白老町で酒に酔った兄弟が自宅で口論となり、弟が兄の後頭部をガラス瓶で殴った疑いで逮捕される殺人未遂事件が発生した。8月、市内しらかば町で夜に帰宅途中の10代女性が面識のない少年(18)に襲われる強制性交事件もあった。

 強制わいせつやストーカーなど「子ども・女性被害犯罪」は10件(6件減)。7月には知人女性の車に無断でGPS(全地球測位システム)を取り付け、位置情報を取得した市内の会社員男(39)がストーカー規制法違反で逮捕された。GPSの設置や位置情報を無承諾で行うことを禁止する昨年8月の同法改正後、道内では初の摘発となった。

 犯罪被害が複雑、多様化する中、馬場恵吾副署長は「新たな手口などが確認されたら速やかにメディアやホームページを通じて注意喚起しているが、個々人の防犯意識向上が不可欠」と訴える。

 刑法犯認知件数の増加は新型コロナウイルス対策の行動制限緩和も一因とみて動向を注視。「年末年始は管内も人の出入りが増えるので、パトロールを強化したい」と述べた。

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