ウサギ

ウサギ

 さよなら三角また来て四角、四角は豆腐、豆腐は白い、白いはウサギ、ウサギは跳ねる―。今年の干支(えと)のウサギと聞くと、この言葉遊びを思い出す。子どもの頃、学校帰りにみんなで歌った。跳ねる―の後はノミだったり、カエルだったりと違いがあるらしいが、なぜか最後の「光るはおやじのはげ頭」は一緒だ。

 半世紀以上も前の話で、平成生まれの若い記者たちには当然、首をかしげられた。まだ全ての家に電話はなく、隣の人が呼びに来てくれるような時代だった。これからは家の黒電話はもちろん公衆電話も見たことがない子どもたちが主流になる。

 そして新聞。今年も3月のワールド・ベースボール・クラシック、5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)、9月のラグビーのワールドカップ―と大きな行事が相次ぎ、各紙の報道にも熱が入る。だが生まれた時からスマホがある世代に、どうすれば紙の新聞を手に取ってもらえるのか。インターネットが普及し始めてから何十年も、繰り返し考えてきた。

 答えは今も見つからないが、少なくとも、戦争は許さないと報じ続けること。ネットのどこにも載っていない徹底した地域ネタを届けること。編集局に寄せられる「身近なニュース宛て」と書かれたファクスを見ると、改めて地域紙の役割に身が引き締まる。

 卯(う)年。地に足を着けることを忘れずに、高く跳ねるウサギを目指したい。(吉)

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