消費税額を8%、10%の税率ごとに分類して記載するインボイス(適格請求書)の10月導入を前に、税務署は制度の周知に力を入れている。インボイス発行が求められる事業者は税務署への事前登録を必要とするが、対象者の申請数は道内でまだ5割程度。10月から発行を予定する事業者の申請は原則3月末を期限としており、苫小牧税務署は「早めの手続きを」と呼び掛けている。
インボイス制度は、事業者が納める消費税額を正確に計算するための新しい経理方式。取引の際、売り手が商品ごとに税率を記載したインボイスを発行しなければ、取引相手は仕入れの際に支払った消費税額を控除できなくなる。発行は、課税対象の商品やサービスの年間売上高が1000万円を上回る事業者を対象としている。
税務署別の登録申請件数は明らかにされていないが、苫小牧税務署によると、道内全体では昨年11月時点で約7万7000件と対象事業者の5割強。インボイスの発行には事務負担が増え、会計システムを導入する場合は費用が掛かることもネックとなり、任意の申請に二の足を踏む事業者は少なくないとみられる。全国的にも同じく半数程度にとどまっている。苫小牧税務署も管内(東胆振1市4町、日高町、平取町)で未申請の事業者がいるとみて、説明会を開いたり、経済団体の会合に出向いたりして制度の説明を続けている。
申請期限は3月末だが、小規模事業者などの準備が遅れている状況を踏まえ、政府は昨年12月23日、特例的に9月末までの申請も認める方針を出した。苫小牧税務署は3月にも苫小牧経済センターで説明会を開く予定で、担当者は「今年度内に申請すると、手続きがスムーズに進むことを周知したい」と話す。
制度の開始を前に市内では申請の手続きを進めたり、様子をうかがう事業者も。酒類販売の「アルス美原店」(美原町)は昨年12月に登録申請を行った。苫小牧青色申告会の会長を務める平田幸彦代表は「青色申告会で勉強会を何度も開き、制度の中身を学んできた。登録を済ませた会員事業所も多い」と言う。一方、靴店の「夢の靴」(表町)の三輪猛彦代表は「いつでも申請できるようにしているが、国や他店の動向を見て判断したい」と話した。



















