飛躍

飛躍

 2023年が明けてから10日余り。取材先で企業トップらの年頭あいさつに接する機会が多い。新年の抱負を干支(えと)にちなんで述べるのはよくあるが、これも世相を反映しているのだろうか。この3年間共通しているが、だじゃれ系のあいさつを、じかに聞いていない。

 かつて取材先で耳にしたのは、申(さる)年に「ウキウキしたい」、戌(いぬ)年に「ワンダフルな1年に」など…。場の雰囲気がその後どうなったかはさておき、そんな冗談すら飛ばないのは寂しい限り。長引く新型コロナウイルス感染拡大や物価高、ロシアのウクライナ侵攻など、厳しい局面が続いている。

 それでも今年の卯(う)年、ウサギはぴょーんと跳ねるイメージ。景気は回復や上向く年回りとされ、「飛躍の年に」と願う声は切実だ。さらに六十干支(ろくじっかんし)の分類では「癸卯(みずのとう)」。一つの物事が収まり、次へと向かう年ともされる。

 温室効果ガスの排出ゼロを目指すカーボンニュートラル、ビジネスモデルを変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)など、企業が向き合う課題は多い。長い耳で素早く音を聞き分けるウサギのように、変化をしっかり捉え、ピンチをチャンスに変えたい。(金)

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