「高湿度冷蔵庫」で技術確立へ実証試験 苫小牧

「高湿度冷蔵庫」で技術確立へ実証試験
苫小牧
高湿度冷蔵庫内で、シャインマスカットに紫外線を当てる実験

 食品工場の機器を製造するフードテクノエンジニアリング(本社大阪市)は、苫小牧市新明町の北海道営業所で、生鮮品の長期保管や品質保持の技術開発を進めている。同社の特殊な冷蔵庫を活用し、シャインマスカットを使った実証実験を重ねている。傷みが生じやすい果物など生鮮品の旬のおいしさを保ち続ける技術を確立し、北海道の食産業に貢献したい考えだ。

 公益財団法人道央産業振興財団(苫小牧市)の新技術・新製品開発助成事業を活用した研究で、昨年10月に着手。期間は3月末までを予定している。実験では、同社が開発した「高湿度冷蔵庫」の試験機を使用。0度の温度空間で90%以上の高湿度を維持し、食品の品質を保ちやすくする装置で、後志管内仁木町産などのシャインマスカットを検体に長期保存の実証に取り組んでいる。

 冷蔵庫内に紫外線ライトを取り付け、検体に光を当てることで、カビの殺菌や増殖を抑える実験も進めている。

 果物など生鮮品は、長く保管すれば品質が落ちやすくなり、海外輸出を困難にしている。同社は課題解決に向け、苫小牧工業高等専門学校の知見も得ながら、実験テーマの「食品の保管期間延長と品質維持」を可能にする新技術を目指す。

 初期のテストでは、検体と紫外線ライトの距離が近すぎたためか、果物に傷みが生じた。距離を離したり、光を当てる時間を変えたりと試行錯誤しながら実験を重ねている。高湿度冷蔵庫で長期保管したマスカットの糖度などもこれから厳密に解析し、松本洋央所長は「鮮度、おいしさを長く保ち、出荷や流通時期の長期化を図れるようにしたい。うまく実証できれば、食品廃棄のフードロスの改善にもつなげられる」と意気込む。

 また、市の助成事業を利用し、市内のそば店と連携しながら、そばの実を高湿度冷蔵庫で長時間寝かせて、うまみを引き出す試験も実施している。冷蔵庫内に雪室(ゆきむろ)と同じ状態をつくり出し、じっくりと熟成させる技術を実現させ、「苫小牧の食の新たな創出につなげたい」と言う。

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