エレベーターのない市営住宅などに住む高齢者宅に灯油を運ぶボランティア活動が、苫小牧市内で広がりを見せている。市社会福祉協議会が高校や企業、灯油販売業者などの協力を得て行っている事業。昨年11月に住吉町で始まり、12月には東開町でも開始。近く弥生町や青葉町、勇払でもスタートする見込みだ。
灯油が入ったポリタンクを階段で自宅まで運ぶことができない高齢者が点在していることから、市社協は昨年11月、苫小牧東高校の野球部とアイスホッケー部の協力を得て住吉町で運搬ボランティアを始めた。12月にはトヨタ自動車北海道労働組合(勇払)と苫東石油備蓄苫小牧事業所(静川)に協力を呼び掛け、東開町でもスタートさせた。同町では現在、80代の独居高齢者3世帯が支援を必要としており、ボランティアが月2回、仕事帰りに集まって運んでいる。
3回目の活動となった今月24日は計7人が参加。駐車場に止まった佐藤燃料(勇払)のタンクローリーからポリタンクに給油し、高齢者宅に運搬した。1人で暮らす86歳の女性は「今までは運ぶのが大変で、灯油をあまり使わないように、寒くてもストーブの火を大きくしないで我慢していた。手伝ってくれる皆さんには感謝しかない」と語った。
トヨタ自動車北海道労働組合の田中敬章さん(45)は「ボランティア活動は目いっぱいやらないとだめだと思い込んでいたが、仕事帰りに取り組むだけでも喜ばれるんだと新鮮な気持ちになった」と手応えを実感。同労組の金野信二さん(54)も「押し付けではない奉仕活動の在り方が分かったような気がする」と話した。
また、苫東石油備蓄苫小牧事業所の八幡翔哉さん(27)は「自分のおばあちゃんの家の手伝いをしているような感覚。人から感謝され、やりがいを感じています」と述べた。
灯油の運搬は、市社協の「だけボラ」事業の一環。ボランティアの内容を限定して参加しやすくする仕組みが、活動の広がりにつながっている。今回参加したボランティアに手伝ってもらい、勇払地区でも始めるほか、苫小牧中央高校の生徒の協力で弥生町や青葉町でも近く開始する予定。
市社協担当者は「灯油の運搬以外にも困り事を抱えている高齢者はいるはず。事業を通じ、少しでも暮らしやすくなる手伝いができれば」と話している。
















