全日本ノービススピードスケート競技会札幌大会最終日は１２日、苫小牧市ハイランドスポーツセンターで学年別男女の５００メートルが行われた。苫小牧勢は、５年男子の平井恒輝（苫小牧スピードスケート連合少年団）が４７秒９１で見事２位。大津拓斗（同）は１２位となった。
　尾添大輝（苫小牧スピードスケート連合少年団）は１４位、布澤遥介（同）は１５位。４年男子の小野瑛司（同）は８位だった。
　【男子】
　５００メートル
　▽４年　（８）小野瑛司（苫小牧連合）６０秒６２▽５年　（２）平井恒輝（苫小牧連合）４７秒９１（５）清原光（浦河東部）４８秒７４（１２）大津拓斗（苫小牧連合）５３秒１３（１３）宮越圭輔（浦河東部）５３秒３４（１４）尾添大輝（苫小牧連合）５３秒９１（１５）布澤遥介（同）５６秒４１▽６年　（３）米川虎汰郎（浦河野深）４６秒０３（７）山田香太朗（浦河東部）４９秒８４
　【女子】
　５００メートル
　▽６年　（１８）坪田奈桜（鵡川）５２秒０６（１９）北島千聖（厚真）５２秒２６
　１１日
　【男子】
　１０００メートル
　▽４年　（６）小野瑛司（苫小牧連合）１分５３秒７７▽５年　（５）平井恒輝（苫小牧連合）１分４１秒３２（８）大津拓斗（同）１分４６秒１６（１０）清原光（浦河東部）１分４７秒６１（１３）尾添大輝（苫小牧連合）１分５２秒１０（１４）宮越圭輔（浦河東部）１分５３秒１４（１５）布澤遥介（苫小牧連合）１分５５秒９５

― 平井、悪天候に負けず
　苫小牧連合の平井（澄川）が５００メートルで悪天候を切り裂く力走を見せた。最終９組に登場。気温が高く湿った雪も舞う中、スタートこそ出遅れた感はあったというが、課題にしてきた「直線で挽回することができた」と自己ベストを１秒以上更新した。
　ゴール直後に初の４７秒台となるタイム表示を見て両手でガッツポーズ。「特にバックストレートでばたつかず、しっかり体重を乗せて滑れていた。言うことなし」と金子団長はたたえる。ただ、優勝には０秒５３及ばず「うれしさもあるけど、まだ上に一人いる」と平井は決して満足しなかった。
　幼稚園時代はアイスホッケーに親しみ、小学入学後にスピード競技を始めた。数年は同級生が一人もおらず「寂しさはあった」が、４年生になって大津ら一挙３人が苫小牧連合に入団。「どんどん速くなっている」と日増しに上達する仲間から刺激を受けながら、負けじと成長してきた。
　アドバイスしたことをすぐに滑りに反映できるのみ込みの早さや、「小柄だが陸上トレーニングでも人一倍の体力を持っている」と金子団長が目を細める大器。最上級生となる来季は「５００メートルで４４秒を切って日本一になりたい」と力強く語った。

―４年男子の小野 悔しさ残る結果も”成長の糧に”
　苫小牧勢で唯一４年男子に出場した小野（泉野）。１０００メートルは６位と健闘したが、得意とする５００メートルでは「内側に足が巻き込んでしまった」とレース途中に転倒。上位入賞を狙っていただけに悔しさが残った。
　２０１８年平昌冬季五輪（韓国）女子５００メートルで日本女子初の金メダルを獲得した小平奈緒さんに憧れ、小学校入学前から競技に励んできた。「転んでも諦めずに滑り切ったのは素晴らしいこと。平井に似た素質を持っている。いい経験になったはず」と金子団長は背中を押す。
　小野は「コーナーのテンポをもっと速くして、５００メートルでは５０秒を切りたい」と前を向いた。

―５年生３選手 最後まで奮闘 
　平井に追い付き追い越せ―。４年生から競技を始めた大津（拓進）、尾添（美園）、布澤（錦岡）の伸び盛りトリオが全国級舞台で健闘した。
　大津は体験教室を通じて競技者へ。「長い距離が得意」と言うように１０００メートルで１７人中の８位。課題とするスタートリアクションの向上や足の回転数増加を図り「来年は優勝したい」と闘志を燃やす。
　「少し緊張したけど楽しかった」と笑みをこぼすのは尾添。レース後は各種目上位選手の滑りを観察し「フォームを崩さずに低い姿勢が保てている」と速く滑る糸口をつかみ、来季以降の糧にした。
　布澤はレークプラシッド（米国）など２度の冬季五輪に出場し、引退後は王子製紙スピードスケート部でコーチとしても活躍した山本雅彦さんを祖父に持つ。「自分なりに精いっぱい頑張りなさい」との金言を胸に２種目を完走。苫小牧連合の同級生は仲間であり「負けたくない」ライバルと布澤。来季は「大会で１位を目指していきたい」と意気込む。
　「３人とも、この１年ですごく伸びた。平井も含め全員真面目で練習熱心。切磋琢磨（せっさたくま）しながら頑張ってほしい」と金子団長は期待した。