偉大な父の背中追って 福永祐一騎手、今月で引退 競馬

偉大な父の背中追って 福永祐一騎手、今月で引退
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第81回菊花賞(G1)を制し、無敗でのクラシック三冠制覇を達成したコントレイルの馬上で笑顔を見せる福永祐一騎手=2020年10月25日、京都競馬場

 
 日本中央競馬会(JRA)で歴代4位の勝利数を誇る福永祐一騎手(46)=栗東・フリー=が、調教師転身のため今月末で現役を引退する。デビューから27年。天才騎手と称された父の洋一さん(74)と常に比較され、その背中を追い続けた。

 9年連続で年間最多勝に輝いた洋一さんは、1979年3月にレース中の落馬事故で騎手生命を絶たれた。福永騎手は当時2歳。「正直、記憶にない。(落馬した)レースを見たこともない」と言う。

 自身は96年のデビュー戦で勝利。新人年はG1レースで騎乗するなど有力馬の手綱も取ったが、「なかなか期待に応えられなかった。でも、(父に)『世話になったから』ということで(騎乗馬を)任されることもあった」と当時を振り返る。

 その後は長い年月をかけ、名手に上り詰めた。円熟期を迎えたのは40歳を過ぎてから。洋一さんが勝てず、「福永家の悲願」としていた日本ダービーを2018年に初制覇。20年にはコントレイルを史上3頭目となる無敗でのクラシック三冠に導いた。

 JRAのG1では通算34勝を積み上げるなど、数々の記録を打ち立てても、父に畏敬の念を抱く。「一生追い続けても絶対に超えられない。父なくして今の自分はあり得ない」。その自覚が成長の糧となったのは間違いない。

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