胆振管内の新型コロナウイルス感染は今年に入り、小康状態となっている。管内の医療機関で確認された日別感染者数は、1月中旬~2月上旬に17日連続で前週の同じ曜日を下回るなど落ち着いた状況だ。ただ、昨年は感染傾向が「山」と「谷」を繰り返したのに加え、昨年9月の「全数把握」簡略化などで、実態と公表数には隔たりもある。胆振管内並びに苫小牧市内で感染が初確認されてからあす22日で丸3年。国の対策見直しは加速しているが、コロナと向き合う日々は続きそうだ。
「全数把握」の簡略化に伴い、道が現在の公表に改めた昨年9月27日以降、管内の感染ピークは同11月で、感染者数は月間約1万2300人。その後、同12月は1万人弱、今年1月は5000人弱と減少傾向に転じ、2月は20日までに最少の1230人。今年に入ってから前週の同じ曜日を下回る日が増えている。
昨年は年明け早々の「第6波」、夏場の「第7波」、11月から年末の「第8波」と感染が急拡大。波と波の間は緩やかに減少しつつ、次の山を迎える傾向にあり、苫小牧保健所は「保健所管内(東胆振1市4町)も道内、胆振管内と同じ傾向。感染者数は11月が過去最多で、現在は感染者数もだいぶ減っている」と説明する。
第6波以降の感染急拡大はほぼ同様の傾向。ワクチン接種が進んでいない子どもをはじめ、30代以下の若年層を中心に感染し、その後は高齢者などまんべんなく広がる構図で、同保健所は「家庭内感染が多い。スタートが子どもか、親かは分からないが、感染力が強いため無症状のうちにうつり、冬場は学校や施設などで集団感染につながる」と指摘する。
その上で「数字に一喜一憂せず、傾向を捉え、感染予防につなげてほしい」と訴える。この1年間余り、コロナ株の変化に対応しながら、医療サービスの重点化を推進。最近は抗原検査キットが普及し、重症化リスクのない若者らは、自らの健康管理で自宅療養する基本が浸透した。公表数字は下振れしている状況だが、「保健所としては無症状の方まで数えるより、医療を必要な方に届けることに力を注ぐ方がいい。『今、増えて危ない時期か』など現状をつかみ、有効な感染対策を示していきたい」と話す。
政府はコロナを感染症法上、5月8日に「2類相当」から「5類」に引き下げ予定など対策を大きく転換しつつあるが、「病原体自体の性質が変わるわけではないし、今後も新たな変異株が出るかもしれない」と警戒感は緩めない。「季節性インフルエンザなどと同じで、基本の対策は手洗いや換気、マスク着用。周りに高齢者や基礎疾患のある方、今の時期は受験生がいる方などは対策を徹底して。日ごろから食料品や日用品、常備薬などをローリング備蓄し、風邪症状があるときは家で休んで」と呼び掛けている。
















