もしも

もしも

 20日朝、朝食を取っているとテレビから臨時ニュースの告知音。北朝鮮が弾道ミサイルを発射したらしい。間もなく2度目の告知音、そして3度目―。ミサイル発射は2回、他に大型放射砲2発を発射―と落ち着くまで数時間。「もしも、これが本当の戦争の始まりだったら」と空想しながら不快な時間を過ごした。

 速報の音がもし空襲警報だったら―。もし打ち上げ角度の設定を誤って飛行距離が延びたら―。戦地では着弾地点も分からず爆発音と地響きで距離を判断するのだろうか―。空想はどんどん湧き出してくる。ロシアのウクライナ侵攻から間もなく満1年。ウクライナの人たちが過ごした1年という時間の長さと恐怖を思うだけで脚や腰から力が抜けていく。

 ロシアのプーチン大統領は昨夜、核兵器の保有数を誇り、一方的に核軍縮条約を停止し、侵攻の継続を叫んだ。ウクライナのゼレンスキー大統領は、祖国を守るため、国民に徹底抗戦を呼び掛け続けている。満1年が近づき戦火の拡大が心配されるこの数日も、指導者たちの政策や訴えの言葉が聞こえてくる。しかし、有効な停戦の呼び掛けは聞こえない。

 もしも、生きる国や指導者を選ぶことができるなら自分は―。そんなことも空想しながら、報道に目を凝らす。(水)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る