きょうが最後

きょうが最後

 ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始して24日で1年。「毎日、きょうが人生の最後の日だと覚悟して前線に向かっている」。ある新聞に載っていたウクライナ兵士の言葉に胸が締め付けられる。

 ウクライナ軍の死者数はこれまでに1万~1万3000人と同国政府は推定し、ロシア軍の死者数は不明だが、イギリス国防省は4万人から6万人とみている。国連によると、今月12日までにウクライナで死亡した市民は少なくとも7199人に上る。このうち438人は18歳未満の子どもだという。

 日本では子育て支援が国会の焦点となり、4月にはこども家庭庁が発足する。肉親を亡くして涙に暮れ、電気が途絶えた暗闇の中で震えるウクライナの子どもたちを見ると、どんな政策も平和なくしては成り立たないことを改めて感じさせられる。

 プーチン大統領はまた核兵器使用をちらつかせている。唯一の被爆国として、広島市でG7(先進7カ国)サミットを開催する議長国として、核兵器の使用は絶対に認めないと全世界に訴えなければならない。G7首脳でウクライナ入りしていないのが日本だけになったからといって、訪問自体を目的にするなら本末転倒だ。やるべきことは他にもある。(吉)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る