【キーウ時事】欧州で第2次大戦後最大の戦禍をもたらしたロシアのプーチン政権のウクライナ侵攻開始から24日で丸1年となる。電撃制圧のもくろみは外れ、ウクライナ軍の徹底抗戦と西側諸国の軍事支援で長期化。戦争の出口は遠い。ロシアは東・南部4州の「併合」を宣言し、占領地域の維持か奪還かを巡り、約1000キロの前線の一部で激戦が続いている。
停戦交渉は昨年春以降、頓挫している。西側諸国は戦意をくじくために対ロシア制裁を強化したが、翻意を促す効果は生んでいない。地上戦の結果が今後の行方を左右することになる。
英国防省の発表では、ロシア軍と民間軍事会社の戦死傷者は最大20万人。うち死者は最大6万人と推計される。ウクライナ軍も相応に損耗しているもようだが、死亡率は比較的低いと考えられている。
ウクライナ市民の犠牲も顕著だ。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は21日、攻撃による民間人の死者数が少なくとも8006人、負傷者が1万3287人に上ったと発表。これらは確認できた分にすぎず、あくまで「氷山の一角」と指摘する。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、人口4000万人規模のウクライナから欧州に逃れた難民は800万人以上。国内避難民のほか、経済困窮や健康問題から危険地域に暮らす人、ロシアの占領地域に残された人もいる。米エール大は最近、少なくとも6000人の子供がロシア本土などに連れ去られたと公表した。
ウクライナ侵攻を巡る主な動き(現地時間)
2022年
2月24日 ロシア軍がウクライナ侵攻
26日 米欧、「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からのロシア排除表明
3月2日 国連総会緊急特別会合がロシア軍即時撤退求める決議(141カ国賛成)
29日 ロシア、ウクライナ北部での作戦縮小発表。戦力を東・南部に
4月18日 ロシア軍、東部ドンバス地方で大規模攻勢開始
5月20日 ロシア国防省、南東部要衝マリウポリの製鉄所制圧発表
6月29日 NATO首脳会議、フィンランドとスウェーデンの加盟で合意
7月3日 ロシア、東部ルガンスク州全域の制圧を宣言
8月5日 南東部ザポロジエ原発に砲撃。その後も攻撃相次ぐ
下旬 南部ヘルソン州でウクライナ軍が反転攻勢
9月21日 ロシア大統領、部分的動員令を発表
23日 東・南部4州の親ロ派、ロシア併合問う「住民投票」(~27日)
30日 ロシア大統領、東・南部4州の編入条約調印
10月8日 クリミア橋で爆発
10日 ロシア軍、キーウなどウクライナ全土にミサイル攻撃
11月11日 ウクライナ軍、ヘルソン解放
12月12日 先進7カ国(G7)首脳会議、ウクライナ防空支援を表明
21日 ウクライナ大統領が訪米、米大統領と会談
米、地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」供与発表
23年
1月4日 仏大統領、ウクライナに「軽戦車」供与を表明。
13日 ロシア国防省、東部ドネツク州の要衝バフムト近郊の町ソレダル掌握を発表
14日 英首相、主力戦車「チャレンジャー」供与の意向表明
25日 独、主力戦車「レオパルト2」供与表明。米も同「エイブラムス」供与表明
2月3日 米、ウクライナに対して射程約150キロの長距離ロケット弾の供与発表
20日 米大統領がウクライナを電撃訪問
21日 ロシア大統領が「新戦略兵器削減条約(新START)」履行停止表明



















