苫小牧 中央図書館の王子製紙資料、閲覧支援アプリ開発 千歳科技大の小野さん

苫小牧 中央図書館の王子製紙資料、閲覧支援アプリ開発
千歳科技大の小野さん
自作の閲覧支援アプリを搭載したタブレットを紹介する小野さん(中央)と覚書を手にする曽我教授(左)、富田館長

 苫小牧市立中央図書館が所蔵する王子製紙苫小牧工場に関する膨大な資料の検索に役立つ「閲覧支援アプリ」を、公立千歳科学技術大学情報システム工学科4年生の小野航征さん(22)が開発した。昨年4月、卒業研究の一環で作業に着手。利用しやすいよう改良を重ね、先月上旬に完成させた。同館は2日、利用に関する覚書を交わし、4月から運用を開始する。

 検索対象は、同工場が創業100年の2010年に市教育委員会に寄贈した資料1472件。創業時からの工場や抄紙機、発電所建設、王子軽便鉄道(山線)に関する書類および写真で明治、大正、昭和、平成の苫小牧の歴史を伝える貴重なものも多い。同館は「毎年道内外から20~30件の問い合わせがある」という。

 これらはこれまで表計算ソフト「エクセル」で整理された資料目録を参考に探し出すしかなかったが、小野さんがアプリ用にデータベース化。同館がすでに画像化し、CD―ROM保存していた資料459件とのひも付けも行った。

 カテゴリー検索は明治~平成の「元号別」、写真や書類など「形態別」に対応。「王子製紙」「機関車」「支笏湖」などの項目別でも分類した。

 「研究者にとってあると便利な検索項目を聞いたり、資料の意味を確認したりして改善につなげた」と小野さん。同工場の従業員や資料目録作成に関わった地元出版社を訪ね、試作段階のアプリを実際に使ってもらい、感想を聞いたという。

 覚書の調印式には小野さんと指導教官の曽我聡起教授、同館の富田歩美館長が出席。曽我教授は「産業史や文化史など多彩な観点から学べる貴重な資料」と語り、富田館長は「貴重な資料がより活用しやすくなる」と喜ぶ。

 アプリを搭載したタブレット端末は、曽我研究室から同館に貸与。希望者は4月以降、同館の郷土資料室で利用できる。

 小野さんは「多くの人に資料を手に取ってもらうきっかけになれば」と話している。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る