苫小牧市は9日までに、日本海溝(三陸・日高沖)沿いの巨大地震に伴う新たな津波浸水想定を踏まえ、避難経路を大幅に見直した新たな津波ハザードマップをまとめた。より高い場所へ逃げる「垂直避難」の視点を盛り込み、津波避難ビルを従来の70棟から185棟に増やした。今月中に公式ホームページで公開し、5月にも居住地域ごとのマップを全戸配布する。
新マップは、同日の市議会安全・安心及び市民ホールに関する特別委員会(牧田俊之委員長)で示された。
従来と同じA1判で表面に全市版、裏面には地区ごとのマップを掲載。全17種類用意する。
津波で浸水する深さによって色分け。2階建てが水没する深さ3メートル~5メートル未満のエリアは「黄色」、3階建てが沈む5メートル~10メートル未満は「ピンク色」とした。
最寄りの津波避難ビルまでの経路を盛り込み、ビルごとに津波が到達する高さを明記したことも特徴。何階まで逃げればよいか分かるようにした。学校などの主要施設には、浸水状況のイメージ写真を付けた。
津波避難ビルは新たに115棟(市営住宅79棟、民間施設36棟)を指定。新たに浸水域入りしたエリアを中心に選定作業を進め、民間アパートや商業施設の協力を取り付けた。従来は一律3階建て以上の建物に絞って指定したが、到来する津波の高さによっては2階への避難を認める方針に切り替えた。
浸水域から外れた地域の世帯にも、最寄りの浸水地区マップを配る考え。市危機管理室は「津波被害に遭った住民を受け入れる地域になるので、一人ひとりの理解につながれば」と語る。
2023年度は町内会の防災担当者向けの説明会を開き、マップの改訂内容を伝えるほか、防災出前講座などで積極的に活用。防災の日の9月1日前後に予定する総合防災訓練では、住民参加型の避難訓練も行う。
道が21年7月に公表した新たな津波浸水想定で、市内の浸水域は前回想定(12年)の約1・3倍の1万224ヘクタールに拡大。地域によっては第1波到達が最短で前回よりも9分早い40分と試算され、海から離れた場所への「水平避難」では逃げ切れない場所が生じた。22年7月には市内で最大4万人が死亡、避難者は6万2000人に上るとの道の被害想定が公表された。



















