思い出を胸に

思い出を胸に

 「給食を用意してあるから、食べていってね!」―。

 3年半ほど前、安平町の遠浅小学校のイベントを取材した際、当時の校長にそう声を掛けられた。その日は体育館で全校給食の時間があり、私の席も用意されていた。十数年ぶりの給食を味わいながら、見知らぬおじさんに興味津々の子どもたちと楽しい時間を過ごしたことを思い出す。

 同校は児童数40人足らずの小規模校。その分、保護者や地域が積極的に学校と関わり、いい意味で壁がないところに魅力がある。事有るごとに声を掛けてもらい、随分とお世話になった学校だ。

 あれから3年余り。早来地区の小中学校の統合に伴い、遠浅小は今月末で閉校になる。最初に話を聞いた時は驚きを隠せなかったし、学校に愛着を持つ保護者や地域住民を思うと複雑だった。

 ただ、大事になるのはこれから。子どもたちが今までの経験を存分に生かし、新しいステージで活躍する姿を今度は追い掛けていきたい。(石)

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