苫小牧市美術博物館は18日、同館研修室で講演会「私が聞いたアイヌの物語」を開いた。講師は北海道博物館研究職員の大谷洋一さん。市民のほか札幌市や様似町などから47人が参加し、大谷さんが実際に聞き取りをした貴重な口承文芸に耳を傾けた。
大谷さんはアイヌ語原文による口承文芸資料の情報収集と調査研究に長年携わってきた。講座では、口承文芸の一つ「オンネパシクル」など採録調査を行った多様な音声データを披露し、研究成果を発表した。
「オンネパシクル」は口比べという意味の「ウパルパクテ」と言われ、▽早口に言う▽複数で問答する▽負けたら罰がある―という特徴を述べる研究者がいるが、子どもの頃に歌った9人に調査したところ、ウパルパクテという言葉を知らなかったといい、「定説は間違っている」と説明した。
大谷さんは「これまでに500以上の話を聞いてきた」と語り、先行研究を無批判に引用することの危険性や「変だと違和感を感じたら、その研究者の原資料にあたることが大事」と述べた。
市青葉町の無職女性(61)は「教科書的な話ではなく、研究者としての考え方や経験談、体験談といった生の声を聞けて面白かった」と話した。
















