【解説】全国唯一の全面的な与野党対決型となった道知事選は、与党勢力が推す現職の鈴木直道氏が前回(162万票)を上回る169万票を獲得する圧勝で幕を下ろした。
16年ぶりの新人対決となって各党が総力戦を繰り広げた前回とは打って変わり、中央からのてこ入れも少なく、「静かな選挙戦」(鈴木陣営幹部)に終始。道議選と連動した政策主導の選挙戦となったが、明確な争点が乏しく、投票率は過去最低を更新した。有権者のほぼ半数が棄権に回った。
鈴木氏の得票は、全179市町村で勝利。閣僚や知名度の高い国会議員の応援は少なかったものの、「知事自身が地方を回るのが最大のてこ入れ」(自民党道連幹部)と「鈴木人気」で圧倒。全国で最も早く感染が拡大した新型コロナウイルス対策の政治決断や、本道では過去最大の5兆円の投資を見込む次世代半導体の新会社Rapidus(ラピダス)の千歳市への誘致など、1期目の実績を多くの道民が支持した。
一方、野党陣営は前回に続き今回も候補選考が極めて難航。官僚や国会議員に水面下で出馬を打診したが、いずれも固辞され、一時は厭戦(えんせん)ムードすら漂った。「候補がいない」(陣営幹部)中、最後にすがったのが前衆院議員の池田真紀氏。出馬表明も告示まで2カ月を切った2月4日までずれ込み、出遅れ感は否めず、池田氏が訴える道政刷新の政策も浸透し切れないままの終戦となった。主導した立憲民主党道連幹部の狭い人脈、国会議員落選組に頼る手法の限界も露呈。保守道政からの奪還には、候補選考の抜本的な改革が求められる。
道民の圧倒的な支持を得た鈴木道政の2期目は間もなく船出する。歯止めがかからない人口減少対策、コロナで疲弊した本道経済の再生など課題は山積している。42歳になった若き知事の新たなリーダーシップに道民は期待している。
(編集委員・札幌支社長、広江渡)
















