強い磁力を持つネオジム磁石を誤って飲み込み、小腸に穴が開いてしまった子どもがいることをご存じでしょうか。
ネオジム磁石の磁力は、普通の磁石の10倍以上です。二つの磁石で耳たぶや大人の指を挟んでも、しっかりくっついていられます。小さい物が多く、直径3ミリや5ミリのサイズもあります。
低年齢の子ども、特に赤ちゃんは何でも口に入れてしまいます。それは、大事な発達過程でもあります。しかし、複数のネオジム磁石を飲み込むと、おなかの中で腸などの壁を挟んで磁石同士がくっつき、壁が圧迫されて壊死(えし)し、穴が開いてしまうことがあるのです。
消費者庁などが運用する「医療機関ネットワーク」の集計では、2010年12月~18年3月に寄せられた誤飲事故情報は124件(誤飲の疑いも含む)に上っています。その中には、開腹手術をして、直径3ミリの磁石が37個見つかった事例もありました。
欧米では14歳未満へのネオジム磁石の販売が規制されていますが、日本に同じような規制はありません。100円ショップなどでも簡単に購入できます。マグネットボールとして知られている製品も、ネオジム磁石です。おもちゃの部品として用いられていることもあり、気付かずに使っている場合も多いです。
では、どんな対策を取ればよいのでしょうか。 たばこ、医薬品、ボタン電池など、子どもにとって危険なものは、子どもの手の届かないところに保管することが、家庭でできる予防策の一つです。
ただ、ネオジム磁石に関しては、家に置く必要性はない場合が多く、小さな子どものいる家庭には持ち込まないことを徹底することが大切です。
この磁石の誤飲は、あまり知られておらず、社会の認識を高めていく必要があります。
(大野美喜子・セーフキッズジャパン理事、イラストはカモシタハヤト)
















