苫小牧市内唯一の4年制大学、北洋大学(錦西町)が2021年に苫小牧駒沢大学から大学名を変更し、3年目を迎えた。入学者数の定員割れが続く中、コロナ禍で大学のイメージを刷新する取り組みや学生確保に向けた国際交流事業は停滞を余儀なくされ、今年度は巻き返しへ正念場となる。
同大は入学志願者数の低迷に伴う経営難を背景に18年、駒沢大学(東京)から京都育英館(京都)に経営移管。当初は同年に名称変更予定だったが、移管前に入学した学生らに配慮し、21年まで見合わせた。
国際文化学部キャリア創造学科の1学部1学科制で、語学教育に注力。中国語や英語、韓国語などを学べる。1~2年次を同大、3~4年次を海外の大学で過ごし、卒業と同時に両大学の学位を取得できる「ダブル・ディグリー制度」も採用している。
21年4月の台湾・国立高雄大を皮切りに、韓国やインドネシアなどの大学計10校と次々に協定を締結。学生全員が留学できる環境を整えてきた。
コロナ禍で留学はお預け状態となっていたが、今年度ようやく実施できる見通し。夏休み期間に1週間から10日間ほどの「海外実習」を計画しており、9月ごろからは交換留学生の受け入れ、送り出しも予定する。
北洋大進学を目指す留学生に日本語教育を行う「留学生別科」(定員160人)も本格始動。コロナ禍が長引き、これまで利用はなかったが、今春はミャンマーやバングラデシュなどから87人を迎え入れ、5月ごろから同大近くの校舎に専任の日本語教員3人を配置し、授業を開始する。
一方、経営移管後の入学者数(春、秋学期合計)は定員75人に対して18年度8人、19年度33人、20年度44人、21年度37人、22年度39人と定員割れが続く。23年度は春学期に19人、秋学期は10人程度が入る見通し。
23年度は経営面の基盤強化へ、これまでスポーツ推薦枠を定員75人の半分程度としてきたのを現状の学生数を踏まえ25%に下げたほか、学力レベル向上へ入学者を厳選。奥村訓代学長は「スポーツと学力のバランスを重視しているが新しいイメージがなかなか浸透せず、地元の高校生に選ばれていない」と打ち明ける。
この2年間も市民に開かれた大学を目指し、地域住民向けのイベントや講座などを積極的に開催してきたが「『北洋大ってどこにあるの?』と聞かれることもしばしば」という。認知度アップへ今年度も定期的に公開講座を開くほか、夏には精神科医で評論家の香山リカ客員教授の授業を公開する。
5月ごろからは、これまで平日のみだった図書館の一般開放を土日にも拡大。奥村学長は「地域にあって良かったと思える大学にしたい。今後は留学生が増えるので、住民らが(留学生と)定期的に交流できる機会もつくりたい」と意気込む。
















