ピッチクロック

ピッチクロック

 40年ほど前の室蘭支部の高校野球の話。投手が一塁へ10球続けてけん制球を投げた。4球目くらいから走者はゆっくり帰塁、攻撃チームからやじが飛んだ。すかさず主審がタイムをかけ、投手に「無駄に時間を使うけん制は控えるように」と注意した。

 試合後、主審が捕手に「さっきのけん制の意図は何だった?」と問い掛けた。捕手は「盗塁警戒もありますが、集中打が続いた相手の攻撃のリズムを崩したかった。けん制自体に意味はないです」と答えたという。

 メジャーリーグで今季から投手がボールを受け取ってから投球動作に入るまでの時間制限「ピッチクロック」が導入されている。投球時間制限は走者なしの場合で15秒。時間を過ぎるとボークが宣告される。試合時間の短縮が狙いだ。オープン戦ベースの平均で2022年より20分ほど早くなったとのデータもある。

 メジャーリーグのほか、社会人野球を統括する日本野球連盟でも、けん制回数制限を定めたスピードアップ特別規定を導入した。社会人野球の試合の長さもプロ並みだ。スピーディーな試合は歓迎するが、メジャーリーグを見ていると何となくせわしない。間合いと駆け引きも野球の見どころ?(高)

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