苫小牧市議会議員を今期の任期満了(4月30日)で退く3人に、これまでの議員生活を振り返ってもらった。
地域活性化へ、議長経験も
木村 司氏(64)
2007年の初当選から4期16年務め、17年5月から2年間は議長を経験した。「支えていただいた方に感謝の気持ちでいっぱい」と話す。
苫小牧市で生まれ育ち、商業者として中心街の衰退を目にしてきた。周囲の勧めもあって市議となり、中心市街地の活性化を求めて質疑を繰り返した。他市のまちづくりについても研究を重ね、「苫小牧の中心部をしっかりとつくらないと、まち全体が良くならない。どこに住んでも中途半端になってしまう」と危機感を募らせる。
議会活動では、中小企業振興条例の制定や市役所への総合窓口フロア設置を市に提案し、実現させた。議長時代には、質疑の一問一答方式の導入や議会基本条例の制定など議会改革を推進してきた。
心掛けた提案型の質問
矢嶋 翼氏(71)
これからは表町の貴金属店経営や商店街活性化の活動に重点を置く。市議会に対しては「市民から信頼される開かれた議会を目指してほしい」と望む。
また、若い世代の市議の活躍を願い、「若手らのアイデアでまちづくりの新しい波を起こし、市職員と一緒になって住みよい苫小牧をつくってほしい」と期待を寄せた。
保守系会派で7期28年間に及んだ議員生活を、「長いようで、あっという間。(定例会で)一般質問を休まず続けられた」と充実した表情で振り返る。70歳を過ぎて「世代交代しないと」と引退を決意し、「応援していただいた皆さまに感謝したい」と話す。
初当選は1995年。開業医の三男で、飲食店を経営し政治とは無縁だったが、「市への不満と地元の後押し」を原動力にした。澄川小PTA会長として献血イベントを催し、血液配送の在り方に疑問を感じた。市に改善を求めたが門前払いを受け、政治を志した。
心掛けたのは提案型の質問。初当選後すぐの定例会では、同年1月の阪神・淡路大震災を踏まえて自衛隊の防災会議入りを求め、当時革新系市長の前向きな答弁を引き出した。子どもの学力向上では先進地の秋田県を自ら視察し、その後の教員研修に道筋を付けた。
「百聞は一見にしかず。まず行動が大事」と力を込め、「今後は若い方が苫小牧を元気にしてほしい。議員定数も削減して」と後進にエール。自身も緑星の里理事、苫小牧骨髄バンク推進会会長など、あまたの顔を持つだけに「まだまだ苫小牧のために働きます」。
男女平等参画推進に力
宇多 春美氏(65)
2011年から3期12年、保守系初の女性市議として活躍した。市民との距離の近さを大切にし、男女平等や福祉の課題に力を注いだ。
政治の世界に足を踏み入れたのは、男女平等参画推進協議会に参加したことがきっかけ。女性の声を市政に反映する必要性を感じた。「当時は女性市議を送り出そうという『風』があった」と振り返る。
当選後初の一般質問の際、ショックを受けた。「男女平等という言葉を口にしただけで議場の雰囲気が一変。ここから変えていかなければいけないのかと思った」と言う。男女平等参画社会の意義を議会の中でも外でも常に発信し続けた。任期を通してドメスティックバイオレンス(DV)防止活動に取り組み、性的少数者への理解促進も訴えた。
コロナ禍で市民との触れ合いが減った分、ゆっくり考える時間もできた。「(議員)バッジがなくても、市民と行政をつなげられる」と言い、退いた後も「子育てと福祉」に向き合うつもりだ。「人と人をつなげ、これまで以上に市民の声を市に届けたい。子どもや高齢者が幸せになれる地域のコミュニティーづくりを支援したい」と意欲を失わない。





















